確認の結果、自宅・施設が営業エリアに入っていなかった場合も、すぐに諦める必要はありません。次の選択肢を順に検討してみてください。
(1) 検索条件を隣接エリアまで広げる
事業者の営業エリアは市区町村の境界と一致するとは限らず、隣接する市区町村を拠点とする事業者が境界付近まで対応しているケースがあります。介護りびようさーちでは、自宅のある市区町村だけでなく、隣接エリアを営業エリアとする事業者も合わせて確認してみましょう。
(2) 出張費・交通費の追加で対応できないか相談する
営業エリアはあくまで事業者が標準として設定している範囲であり、出張費や交通費を追加することでエリア外にも対応してもらえる場合があります。条件は事業者ごとに異なるため、問い合わせの際に「エリア外だが対応可能か、追加の費用や条件はあるか」を率直に尋ねてみてください。
(3) 複数人まとめての依頼を検討する(施設・グループの場合)
施設や高齢者住宅などで複数人の施術をまとめて依頼できる場合、1回の訪問あたりの効率が上がるため、単独の依頼では難しい地域でも受けてもらえることがあります。対応可否は事業者次第なので、想定する人数や頻度を伝えたうえで相談しましょう。
(4) ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、介護保険法に基づいて市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。その地域で実際に稼働している訪問理美容事業者の情報や、前のセクションで触れた自治体助成制度の案内を受けられることがあります。担当のケアマネジャーがいる場合は、他の利用者の利用実績を把握していることも多いため、まず相談してみるのが近道です。
(5) 訪問介護(ヘルパー)でできる範囲を正しく知っておく
「エリア内に事業者が見つからないなら、ヘルパーさんに切ってもらえないか」と考える方もいますが、カットなどの理容・美容行為を業として行うには理容師・美容師の資格が必要です(理容師法・美容師法)。訪問介護員(ホームヘルパー)が介護保険の訪問介護で行えるのは、「身体整容」としての整髪など髪の手入れの範囲にとどまります。
前述の平成29年通知では、訪問介護員の資格を持つ理容師・美容師が介護保険サービスの身体整容として対応する場合は、出張理容・出張美容の費用を別途徴収できないこと、訪問介護の前後に介護保険と明確に区分したうえで出張理容・出張美容を行うことは可能であることが整理されています。つまり「カットそのもの」は資格を持つ理美容師に依頼する必要がある、と押さえておきましょう。
なお、いずれの選択肢を取る場合も、医療的な管理が必要な方への施術可否はエリアの問題とは別に残ります。営業エリアの問題が解決しても、体調や医療的ケアの状況によっては訪問理美容の対象外となる場合があるため、主治医や訪問看護師など医療機関側への相談を並行して行ってください。