訪問理美容(出張理容・出張美容)は誰でもどこでも受けられるわけではなく、対応可能な条件は都道府県ごとの条例で異なる。これが「都市部と地方で違う」と感じる最大の理由だ。
理容師法施行令第4条第1号・美容師法施行令第4条第1号では、出張理容・出張美容を行える場合が全国共通の基準として定められている。厚生労働省の通知(平成28年3月24日 生食衛発0324第1号)によれば、国が定める対象は大きく2類型で、(1)疾病・負傷・障害・寝たきり等により理容所・美容所に来ることが困難な者、(2)乳幼児の育児中または重度要介護者の介護中で外出が困難な者、である。
ただしこの通知には「都道府県等が条例で別に定めることを妨げるものではない」と明記されている。つまり国の基準はあくまで最低ラインで、実際にどこまで対応エリア・対象者を広げるかは都道府県(保健所設置市を含む)の条例に委ねられている。この「条例による上乗せ」の有無・内容が、都市部と地方の対応エリアの差を生む制度的な根拠になっている。

