訪問理美容を依頼する前に、そもそも自分や家族が「出張理容・出張美容が認められる対象」に当てはまるかどうかを確認しておくと、依頼から契約までがスムーズに進む。
各都道府県・保健所が案内する出張理容・出張美容の対象は、おおむね次のようなケースに整理される。
- 疾病その他の理由により理容所・美容所に来ることができない者への施術
- 婚礼その他の儀式に参列する者に対する、当該儀式の直前の施術
- 停泊中の船舶に乗船している者であって上陸できないものに対する施術
- 老人福祉法上の特別養護老人ホームその他これに類する施設の入所者に対する施術
- 演芸、放送その他これらに準ずるものに出演する者に対する、出演の直前の施術
在宅で暮らす高齢者の場合は、主に1の「疾病その他の理由により理容所・美容所に来ることができない者」に該当するケースが多い。歩行が困難、認知症により外出時の対応が難しい、要介護度が高く付き添いなしでの外出が現実的でない、といった事情が想定されている。厚生労働省が示す在宅高齢者向けの通知でも、外出困難な高齢者が理容・美容サービスを受けられるようにすることが、心身のリフレッシュや生活の質(QOL)の維持・改善につながるとされている。
一方、特別養護老人ホーム等の施設に入所している場合は、4に該当するため、疾病等の個別事情を示さなくても施設側の受け入れ体制が整っていれば依頼しやすい。ただし、施設によっては提携する訪問理美容事業者が決まっている場合や、施設側への事前申請・許可が必要な場合があるため、まずは施設の相談員・生活相談員・ケアマネジャーに、訪問理美容の利用可否と手続きを確認するのが確実である。
いずれのケースでも、対象に該当するかどうかの最終的な判断は保健所・自治体の生活衛生担当課が行う。迷う場合は、事業者に相談する前に、依頼者本人が管轄の保健所に電話で状況を伝えて確認する方法もある。