「感染症の疑いで個室に入っている」「抗がん剤治療で免疫力が落ちている」。こうした状況にあるご家族の散髪を考えるとき、「この状態で訪問理美容を頼んでいいのだろうか」と迷うのは自然なことです。
結論からお伝えすると、感染対策が必要な状況でも、訪問理美容の利用を相談すること自体は可能です。ただし、通常の訪問とは異なる配慮が必要になるため、事業者・施設・ご家族の三者で事前にしっかり情報を共有し、調整することが欠かせません。全国訪問理美容協議会のガイドラインでも、発熱時の訪問見合わせや施設の感染対策ルールの遵守など、感染対策に関する基本的な考え方が示されています。
確認しておきたいのは次の4点です。(1) 状況の種類:感染症で隔離されているのか、免疫力が落ちて感染を受けやすい状態(易感染状態)なのか。(2) 事前共有:施設・医療者への確認と、事業者への正確な情報提供。(3) 動線と道具:施術者の入退室の動線、使う道具の扱い。(4) 施設との調整:施設に入居中の場合の受け入れ手続き。
この記事では、状況ごとの考え方から、事前共有の具体的な内容、当日の配慮、施設との調整までを順に解説します。
こうした準備には少し手間がかかりますが、ご本人の安全と施術者の安全を両立させるための、必要なステップだと考えてください。

