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介護りびようさーち
事業者の選び方・見極め

訪問理美容サービス選びの全体手順

Published
作成日: 2026年7月7日
Updated
最終更新日: 2026年7月8日

訪問理美容サービス選びの全体手順を6つのステップで解説。利用対象の確認から場所・メニューの決定、事業者の絞り込み、見積もり時の聞き方、初回の準備まで、迷わず進められる順番を整理します。

01結論:訪問理美容選びは「決める順番」を先に押さえれば迷わない

訪問理美容を初めて探すとき、多くのご家族がつまずくのは、料金・メニュー・事業者の口コミなどを一度に調べ始めてしまい、「結局どこから手を付ければよいのか分からない」という状態になることです。訪問理美容は介護保険の給付対象外の自費サービスで、料金体系や対応範囲が事業者ごとに異なるため、順番を決めずに比較を始めると情報量に圧倒されてしまいます。

結論から言うと、選び方は次の6ステップの順番で進めるのが最短です。

訪問理美容サービス選びを6つのステップで進めるフロー図

(1) 利用対象にあてはまるかを確認する、(2) 自宅で受けるか施設で受けるかを決める、(3) 施術メニューと優先順位を決める、(4) 事業者を4つの軸で絞り込む、(5) 問い合わせ・見積もりで疑問を解消する、(6) 初回訪問の準備をする、という流れです。

この順番には理由があります。訪問理美容は法令上「理容所・美容所に来ることが困難な方」のための例外的なサービスなので、まず対象になるかの確認が先です。次に、訪問場所とメニューが決まらないと事業者の候補が絞れず、見積もりも取れません。逆にこの2つが決まっていれば、事業者への問い合わせは驚くほどスムーズに進みます。以下、各ステップで確認することを順に見ていきましょう。

なお、すべてのステップを完璧にこなしてから次へ進む必要はありません。途中で判断に迷う項目が出てきたら、その疑問ごと問い合わせのステップに持ち込み、事業者に直接確認するという進め方でも十分うまくいきます。

02ステップ1:利用対象にあてはまるかを確認する

理容師法・美容師法では、理容・美容の施術は原則として保健所に届出をした理容所・美容所(店舗)で行うことと定められています。自宅や施設への訪問(出張理美容)が認められるのは、法令や都道府県等の条例が定める例外事由に該当する場合です。

厚生労働省の通知(平成28年3月24日 生食衛発0324第1号)では、疾病・骨折・認知症・障害・寝たきり等の要介護状態により理容所・美容所に来ることが困難な方や、常時ご家族の介護や乳幼児の育児を行っていて外出が難しい方などが対象として示されています。加えて、都道府県や保健所を設置する市の条例で、社会福祉施設の入所者やへき地にお住まいの方などが対象に追加されている地域もあります。

実際の確認はむずかしく考える必要はありません。「要介護認定を受けている」「車椅子や寝たきりで外出が難しい」「認知症で店舗での施術が負担になる」といった状況であれば、対象に該当する可能性が高いといえます。判断に迷う場合は、問い合わせの際に事業者へ「母は要介護3で車椅子です。訪問の対象になりますか」のように状態を伝えれば、事業者側が該当するかどうかを一緒に確認してくれます。

細かい取り扱いは地域により異なるため、全国一律の基準で自己判断せず、事業者またはお住まいの地域を管轄する保健所に確認するのが確実です。

また、東京都のように、条例によって社会福祉施設の入所者やへき地にお住まいの方が対象に追加されている地域もあります。同じ状態のご本人でも、お住まいの地域によって取り扱いが変わることがある、と覚えておくと混乱しません。

03ステップ2:自宅で受けるか、施設で受けるかを決める

次に、施術をどこで受けるかを決めます。訪問理美容の訪問先は大きく「ご自宅(在宅介護の場合)」と「入居中の施設(老人ホーム・グループホーム等)」に分かれ、どちらかによって手配の進め方が変わります。

ご自宅で受ける場合は、ご家族が直接事業者を探して問い合わせるのが基本です。施術スペースや電源、洗髪をする場合はお湯の準備など、ご自宅の環境を事前に事業者と相談しながら決めていきます。ご家族が立ち会えるので、本人の好みや注意点をその場で伝えやすいのが利点です。

入居中の施設で受けたい場合は、先に施設の相談員や介護スタッフに「外部の訪問理美容を呼んでよいか」を確認してください。施設によっては、定期的に出張理美容の日を設けていたり、提携している事業者が決まっていたりします。その場合は施設の仕組みに乗るのが最もスムーズです。施設に決まった仕組みがない場合でも、感染対策のルールや施術場所の確保など、施設側との調整が必要になるため、家族が勝手に手配を進めず、必ず施設を通して調整しましょう。

どちらで受けるかが決まると、事業者に伝えるべき情報(住所・施設名・環境)と、調整すべき相手(家族だけか、施設も含むか)がはっきりします。

なお、自宅と施設のどちらで受ける場合でも、訪問を受けられる時間帯には制約が出やすい点に注意してください。施設では食事・入浴・レクリエーションの時間を避ける必要がありますし、自宅でも訪問介護や訪問看護の予定と重ならない時間の調整が必要です。普段の1週間の予定をあらかじめ書き出しておくと、事業者との日程調整が一度で決まりやすくなります。

04ステップ3:施術メニューと優先順位を決める

訪問理美容で頼めるメニューは、カット・顔そり(シェービング)・カラー・パーマ・洗髪のほか、事業者によっては非医療のフットケアやネイルケア、メイクなどがあります。ただし、すべての事業者がすべてのメニューに対応しているわけではありません。だからこそ、事業者を探し始める前に「今回どうしても頼みたいこと」と「できればお願いしたいこと」を分けておくことが大切です。

初めての利用であれば、まずはカットだけなど短時間で終わる最小限のメニューから始めるのがおすすめです。ご本人にとって初対面の施術者を自宅に迎えるのは思った以上に緊張するもので、初回から長時間のメニューを組むと負担が大きくなりがちです。カラーやパーマは薬剤を使い時間もかかるため、体調や皮膚の状態について事業者との相談が必要になります。

また、顔そりをカミソリで行えるのは理容師のみ(美容師は化粧に付随した軽い程度に限られます)、爪切りなどのケアは爪や周囲の皮膚の状態によって対応できる範囲が変わるなど、メニューによって「誰が・どこまで」対応できるかの線引きがあります。希望メニューが決まっていれば、この線引きに対応できる事業者かどうかを次のステップで確認できます。

優先順位を書き出したメモは、そのまま問い合わせ時の伝達事項になります。「カット必須、可能ならフットケアも」のように整理しておきましょう。

どうしてもメニューを決めきれない場合は、「カットのみ」で仮置きして問い合わせを進めて構いません。実際に施術者と会って相性や段取りを確かめてから、次回以降にメニューを広げていくご家庭も多くあります。

05ステップ4:事業者を4つの軸で絞り込む

訪問先とメニューが決まったら、事業者を絞り込みます。確認する軸は次の4つです。

絞り込みの軸確認すること
営業エリア自宅・施設の住所が対応エリアに入っているか
資格・届出理容師・美容師免許の保有、出張理美容の届出状況
対応可能な状態寝たきり・車椅子・認知症など本人の状態に対応した実績があるか
施術メニューステップ3で決めた希望メニューに対応しているか

この4軸のうち1つでも合わない事業者は、どれだけ雰囲気が良さそうでも候補から外れます。逆に4軸がそろえば、あとは人柄や進め方の相性を問い合わせで確かめるだけです。

介護りびようさーちでは、地域と施術メニューを組み合わせて事業者を検索でき、事業者ページで資格・届出状況や対応可能な状態を確認できます。候補は1社に絞り込まず、2〜3社残しておくのがおすすめです。訪問理美容は事業者ごとに出張費の考え方や対応範囲が異なるため、複数社の回答を比べることで、相場感や相性が見えてきます。

なお、無資格者による理容・美容の施術は法律で禁止されています。ホームページ等で資格の記載が確認できない事業者に依頼する場合は、問い合わせ時に免許の有無を必ず確認してください。

絞り込みの途中で「対応可能な状態」の記載が見つからない事業者があった場合は、候補から外す前に、問い合わせで直接確認するという方法もあります。掲載情報が少ないだけで、実際には訪問の経験が豊富な事業者もあるためです。

06ステップ5:問い合わせ・見積もりで疑問を解消する(聞き方の例)

候補の事業者が2〜3社に絞れたら、問い合わせをして見積もりと疑問の解消を行います。訪問理美容は自費サービスで、料金は施術メニュー・出張距離・施設契約か個別訪問かなどで変わるため、正確な金額は見積もりでしか分かりません。

問い合わせで伝えることと聞くことを、あらかじめメモにしておきましょう。聞き方の例を挙げます。

  • 「母は要介護3で、自宅で車椅子を使っています。カットと、可能であれば爪のケアをお願いしたいのですが、対応できますか」
  • 「施術料金のほかに、出張費や指名料などの追加費用はありますか。合計でいくらになるか教えてください」
  • 「認知症があり、途中で施術を嫌がる可能性があります。その場合はどのように対応されますか。中断した場合の料金はどうなりますか」
  • 「支払いは現金のみですか。領収書はいただけますか」
  • 「キャンセルや日程変更は、いつまでに連絡すれば料金がかかりませんか」

このとき、回答の内容そのものに加えて「質問に具体的に答えてくれるか」「本人の状態について丁寧に聞き取ろうとしてくれるか」も大切な判断材料になります。見積もりの内訳を曖昧にしたまま契約を急がせる事業者は避け、書面やメールなど形に残る方法で見積もりをもらっておくと、当日のトラブルを防げます。

見積もりを受け取ったら、金額そのものだけでなく「何が含まれていて、何が別料金か」を確認してください。施術料に出張費が含まれる事業者もあれば、距離に応じて別途加算される事業者もあり、総額の示し方はまちまちです。複数社を比べるときは、同じ条件(同じメニュー・同じ訪問先)をそろえて聞くことが、見積もり比較で失敗しないコツです。

07ステップ6:初回訪問に向けて準備する

依頼する事業者が決まったら、初回訪問の準備をします。といっても、特別な道具を買いそろえる必要はほとんどありません。多くの事業者は施術に必要な道具一式を持参します。ご家族側で準備するのは、主に次の3つです。

1つめは施術スペースの確保です。椅子を置いて施術者が周囲を動ける程度の広さ(目安として2〜3畳程度)と、ドライヤー等に使う電源を確保します。普段お使いの安定した椅子があれば十分なことが多いですが、洗髪やカラーを頼む場合はお湯や換気の段取りも事前に事業者と打ち合わせておきましょう。

2つめは、ご本人の状態の共有です。持病や服薬、皮膚の状態、当日の体調、認知症がある場合の接し方のコツなど、施術者に知っておいてほしいことを伝えます。問い合わせ時に伝えた内容でも、当日あらためて一言添えると安心です。

3つめは、仕上がりの希望を伝える準備です。ご本人が言葉で伝えにくい場合は、以前の写真を見せる方法が確実です。「いつもこのくらいの長さにしていました」と写真1枚あるだけで、仕上がりの満足度は大きく変わります。

当日の体調がすぐれない場合に備えて、中止・延期の連絡先と締切時刻を事前に確認しておくことも忘れないでください。

また、当日はご家族が最初から最後まで付き添える体制にしておくと安心です。特に初回は、施術者への状態の説明や仕上がりの確認など、ご家族の判断が必要になる場面が少なくありません。どうしても立ち会えない場合は、事前に伝達メモを用意したうえで、終了後に電話で仕上がりと様子を確認する段取りを事業者と決めておきましょう。

08迷ったら誰に相談するか

ここまでの手順で迷ったときに、相談できる相手を整理しておきます。

まず、要介護認定を受けている方であれば、担当のケアマネジャーが身近な相談先です。訪問理美容そのものは介護保険サービスではありませんが、地域の事業者事情に詳しいケアマネジャーは多く、「この地域で訪問カットを頼むならどんな選択肢があるか」といった相談に乗ってもらえることがあります。施設に入居中であれば、施設の相談員・生活相談員が窓口です。

次に、お住まいの市区町村の高齢福祉窓口や地域包括支援センターです。自治体によっては、寝たきりや重度の要介護の高齢者を対象に、訪問理美容の費用の一部を助成する独自制度(理美容券の交付など)を設けている場合があります。制度の有無や条件は自治体によって大きく異なるため、費用負担が気になる方は一度確認してみる価値があります。

また、出張理美容の制度や届出について正確に知りたい場合は、地域を管轄する保健所が正式な窓口です。

介護りびようさーちのAI相談も活用できます。「要介護2の父に、施設でカットとひげそりを頼みたい」のように状況を伝えると、確認すべきポイントや探し方の選択肢を整理できます。誰にも相談せずに一人で抱え込むより、使える窓口を組み合わせて進める方が、結果的に早く良い事業者に出会えます。

相談するときは、このガイドの6ステップのどこで迷っているかを添えると、相手も答えやすくなります。「対象になるか分からない」なら保健所か事業者、「費用の負担が不安」なら自治体の高齢福祉窓口、というように、迷いの種類に合わせて相談先を選んでください。

09まとめ:6ステップの確認リスト

最後に、訪問理美容サービス選びの全体手順を確認リストとしてまとめます。

  1. 対象確認:来所が困難な状態(要介護・認知症・障害等)にあてはまるか。迷ったら事業者か保健所へ
  2. 場所:自宅か施設か。施設の場合は必ず施設側へ先に確認
  3. メニュー:必須の施術と希望の施術を分けてメモする
  4. 絞り込み:営業エリア・資格届出・対応可能な状態・メニューの4軸で2〜3社に絞る
  5. 問い合わせ:状態を伝え、総額・追加費用・中断時の扱い・キャンセル規定を確認する
  6. 初回準備:スペースと電源、本人の状態共有、仕上がりの希望(写真)を用意する

この順番どおりに進めれば、初めてでも大きくつまずくことはありません。まずはステップ1の対象確認から始めて、地域と施術メニューで事業者を検索してみてください。分からないことが出てきたら、その都度このリストに戻って、いま自分がどのステップにいるかを確かめると、次にやることが見えてきます。

一度で完璧な事業者選びをしようと気負う必要はありません。訪問理美容は継続して利用していくサービスなので、初回の施術で相性や段取りを確かめ、気になる点があれば2回目以降に調整したり、別の事業者に切り替えたりすることもできます。ご本人にとって心地よい時間になっているかどうかを一番の判断基準にして、無理のないペースで進めてください。施術後のご本人の表情や様子は、どんな口コミよりも確かな判断材料です。迷ったときにこのリストへ戻れるよう、このページをブックマークしておくのもおすすめです。

FAQ

このガイドのよくある質問

最初にやることは「利用対象になるかの確認」です。訪問理美容は法令上、疾病や要介護状態などで理容所・美容所に来ることが困難な方のための例外的なサービスと位置づけられているためです。その後、自宅か施設かの訪問場所、希望する施術メニューの順に決めると、事業者の絞り込みと見積もりがスムーズに進みます。対象になるか迷う場合は、問い合わせ時にご本人の状態を伝えれば、事業者が一緒に確認してくれます。
営業エリア・資格や届出・対応可能な状態・施術メニューの4つの軸で絞り込んだうえで、2〜3社に問い合わせて比較するのがおすすめです。訪問理美容は自費サービスで、料金体系や出張費の考え方が事業者ごとに異なるため、複数社の見積もりを比べることで相場感と対応の丁寧さが見えてきます。比較の際は、同じメニュー・同じ訪問先という同一条件で聞くことが大切です。
ご本人の状態(要介護度、車椅子・寝たきり・認知症の有無など)、訪問先(自宅か施設か)、希望する施術メニューの3点をまず伝えてください。そのうえで、出張費を含めた合計金額、体調不良で中断した場合の扱い、キャンセル規定を確認しておくと、当日のトラブルを防ぎやすくなります。言葉で伝えにくい仕上がりの希望は、以前の写真を用意しておくと確実に伝わります。
先に施設の相談員や介護スタッフへ確認してください。施設によっては提携する出張理美容の仕組みがすでにあり、その場合は施設経由で依頼するのが最もスムーズです。外部の事業者を呼ぶ場合も、感染対策ルールや施術場所の調整が必要になるため、必ず施設を通して進めましょう。施設の行事や他の入居者の予定と重なることもあるため、希望日は複数の候補を用意しておくとスムーズです。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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