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介護りびようさーち
制度・事業者向け

管理理容師・管理美容師の設置義務とは

Published
作成日: 2026年7月6日
Updated
最終更新日: 2026年7月7日

訪問理美容・出張美容事業者の開設者・施設担当者向けに、理容師法・美容師法が定める「管理理容師・管理美容師」の設置義務(常時2名以上の従事者、3年以上の実務経験、都道府県知事指定講習修了)と確認方法を、条文根拠とともに解説する制度記事。

01管理理容師・管理美容師の設置義務とは何か(結論)

管理理容師・管理美容師とは、常時2人以上の理容師・美容師が働く理容所・美容所に設置が義務付けられる、衛生管理の責任者のことです。

訪問理美容・出張美容の事業者を探すご家族や施設担当者にとって、この制度は「事業者が法令を守って運営しているか」を見極める手がかりの一つになります。特に、個人宅への訪問だけでなく店舗型の理容所・美容所も構えている事業者や、施設内に美容室スペースを常設する形で複数のスタッフを配置する場合には、この設置義務が関わってきます。

根拠となる条文は、理容師については理容師法第11条の4、美容師については美容師法第12条の3です。両者は名称こそ違いますが、要件はほぼ同一の構造になっています。この記事では、誰が対象になるのか、管理者になるための要件は何か、確認する際に何を見ればよいかを、条文に沿って整理します。

管理理容師・管理美容師の設置義務

02設置義務の対象になるのはどんな理容所・美容所か

理容師法第11条の4、美容師法第12条の3は、いずれも「理容師(美容師)である従業者の数が常時2人以上である理容所(美容所)の開設者は、当該施設を衛生的に管理させるため、施設ごとに管理者を置かなければならない」と定めています。

ポイントは「常時2人以上」という人数要件です。理容師・美容師の免許を持つスタッフが常時1人しか従事していない事業所は、この設置義務の対象にはなりません。訪問理美容・出張美容を専業で行う個人事業者の多くは、施術者が1名のみの体制であるため、制度上はこの設置義務の対象外となるケースが多いと考えられます。

一方で、次のような場合は設置義務の対象になり得ます。

  • 店舗型の理容所・美容所を構え、そこに常時2人以上の理容師・美容師が在籍しており、その施設が訪問・出張サービスも行っている場合
  • 施設(老人ホーム等)内に理容所・美容所としての届出を行った美容室スペースがあり、常時2人以上の理容師・美容師が勤務している場合

なお、開設者自身が管理者としての要件(後述)を満たしている場合は、自らが主として管理する1つの理容所・美容所に限り、自分自身を管理理容師・管理美容師とすることも認められています。訪問理美容単体の事業形態か、店舗型の理容所・美容所を併設しているかによって判断が変わるため、断定的に「訪問理美容だから不要」と決めつけず、事業所の実態に応じて確認することが大切です。

03管理理容師・管理美容師になるための3つの要件

管理理容師・管理美容師は、誰でもなれるわけではありません。理容師法第11条の4第2項・美容師法第12条の3第2項は、次の要件を満たした人物であることを求めています。

要件内容
1. 免許理容師または美容師の国家免許を保有していること
2. 実務経験免許取得後、3年以上理容または美容の業務に従事していること
3. 講習修了厚生労働大臣の定める基準に従い、都道府県知事が指定した講習会の課程を修了していること

この講習会は、公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが実施しており、受講には「免許取得後3年以上、理容または美容の業務に従事した者」であることの証明として、申込時に業務従事証明書の提出が必要です。受講資格を判定する基準日は講習会ごとに設定されているため、実務年数の数え方は開催回によって異なる点に注意が必要です。

管理理容師・管理美容師制度の目的は、技術的な管理運営の適正化と衛生的管理の向上、利用者の衛生保持にあります。単なる資格の上乗せではなく、施設全体の衛生管理・従業者の指導監督を担う立場として位置付けられている点を押さえておきましょう。

04講習会の中身と申込みの流れ(資格認定講習会の実際)

管理理容師・管理美容師になるための「講習」がどのようなものかを具体的に知っておくと、事業者に確認する際の解像度が上がります。公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが実施する管理理容師・管理美容師資格認定講習会は、厚生労働大臣が定める基準に沿って都道府県知事が指定する講習会として位置づけられています。

講習の科目は、大きく「公衆衛生」と「理容所及び美容所における衛生管理」の2科目で構成されています。同センターや各都道府県の案内では、公衆衛生に約4時間、理容所及び美容所における衛生管理に約14時間、合計おおむね18時間程度を、通常3日間の課程として実施するとされています。感染症や公衆衛生の基礎知識に加え、器具の消毒方法、施術環境の衛生管理、従業者の健康管理・指導監督といった、施設運営そのものを対象とした内容が中心です。技術(カット等)の講習ではなく、あくまで「衛生的に施設を管理する責任者を育てる」ための講習である点が特徴です。

申込みの流れも、以前の先着順から抽選制へと運用が変わっている点に注意が必要です。センターの案内によれば、まずオンライン申請システムでユーザー登録と決済方法の登録を行ってエントリーし、抽選で当選した人が受講申込情報の入力・必要書類(業務従事証明書など)と顔写真のアップロードを行い、審査後に受講料をキャッシュレスで支払う、という段階を踏みます。オンライン申請が難しい場合には紙での手続きも用意されています。

受講料や開催日程・会場、受講資格の基準日は、開催回・都道府県ごとに異なります。金額や日程はここでは断定せず、依頼を検討している事業者の管理者がいつ・どこで講習を修了したかを尋ねる程度にとどめ、最新の募集要項は理容師美容師試験研修センターの公式サイトや、開催地の都道府県(保健所・食品生活衛生課等)の公式ページで確認するのが確実です。制度や開催情報は改定されることがあるため、公式の一次情報にあたる習慣をつけておくと安心です。

05「管理者を置かない=違法」ではない — 出張・訪問理美容と設置義務の関係

ここで混同しやすいのが、「管理理容師・管理美容師を置いていない事業者は法令違反なのではないか」という不安です。結論から言えば、そうとは限りません。前述のとおり設置義務は「常時2人以上の理容所・美容所」が対象であり、そもそも設置義務が生じない事業形態が存在するからです。訪問理美容・出張美容には、店舗型の理容所・美容所とは別に、独自のルールが適用されます。

理容師・美容師は原則として、届出をした理容所・美容所以外の場所で業務を行うことはできません。ただし理容師法施行令・美容師法施行令は、政令で定める特別な事情がある場合に限って、施設外での施術(出張理容・出張美容)を認めています。多くの都道府県の案内では、認められる場合として次のようなケースが挙げられています。

  • 疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない者に対して施術する場合(入院・在宅療養中の方など)
  • 婚礼その他の儀式に参列する者に対して、その儀式の直前に理容・美容を行う場合
  • 特別養護老人ホームその他これに類する社会福祉施設の入所者に対して施術する場合
  • 停泊中の船舶の乗船者や、演芸等の出演者に対して直前に施術する場合

訪問理美容の事業者が高齢者施設や在宅の利用者へ出張して施術できるのは、この特例に該当するためです。この施設外施術を行う場合でも、事業者は理容師法第9条・美容師法第8条および各都道府県の施行条例が定める衛生上必要な措置(器具の消毒、客ごとの布片交換、清潔な作業衣の着用など)を、店舗での施術と同等に講じる義務があります。

注意したいのは、出張理美容にあたっての「届出」の要否が自治体によって異なる点です。事前に管轄保健所への届出を求める都道府県・市もあれば、届出は不要としつつ必要に応じて事前相談を促す自治体もあります。したがって「届出をしているか」を一律の基準にするのではなく、その事業者が営業する地域の保健所ルールに沿って運営されているかを確認する視点が実務的です。設置義務(管理理容師・管理美容師)と、出張理美容の届出・衛生措置は別々の制度であることを整理して理解しておくと、事業者への質問がぶれません。

なお、本記事が扱うのは理美容の衛生管理・許認可に関する枠組みであり、医療的な処置や判断は対象外です。爪や皮膚のトラブル、褥瘡(じょくそう)や医療的ケアが関わる可能性がある場合は、必ず医療機関・訪問看護・訪問介護等の専門職に相談してください。

06設置義務に違反するとどうなるか

管理理容師・管理美容師を設置すべき理容所・美容所が、これを設置しないまま営業を続けた場合、都道府県知事は期間を定めてその理容所・美容所の閉鎖を命ずることができます(理容師法第14条、美容師法第15条)。

閉鎖命令という重い行政処分が定められていることからも、この制度が単なる形式的な要件ではなく、利用者の衛生と安全を守るための実質的な規制であることがわかります。施設担当者が出張美容室の導入を検討する際や、複数スタッフを抱える事業者に発注する際は、管理者の設置状況を確認することが、安心して依頼できる事業者かどうかを見極める材料の一つになります。

07施設担当者・利用者が確認する際の実務ポイント

実際に事業者へ問い合わせる際、次のような聞き方をすると確認がスムーズです。

  • 「常時2名以上の理容師・美容師が在籍する店舗(理容所・美容所)はありますか。ある場合、管理理容師・管理美容師は設置されていますか」
  • 「管理者は理容師美容師試験研修センターの講習を修了していますか」
  • 「出張・訪問専業のスタッフのみで、店舗型の理容所・美容所を持たない場合、この制度の対象外という理解で合っていますか」

訪問理美容専業の個人事業者に対しては、管理理容師・管理美容師の設置有無そのものよりも、後述する「理容師・美容師免許の保有」「出張理容・出張美容の届出(保健所)」の有無を確認する方が実務的に重要になる場面が多くなります。設置義務の要否は事業所の体制によって変わるため、確認する際は「常時何人の理容師・美容師が在籍しているか」をまず尋ね、その上で該当するかどうかを事業者自身に説明してもらうのが確実です。

なお、本記事は理美容業における衛生管理体制の確認方法を扱うものであり、医療的な処置や判断を扱うものではありません。医療的ケアが必要な方への対応可否については、必ず医療機関・訪問看護・訪問介護等の専門職に相談してください。

08契約前にそろえておくと安心な確認事項チェックリスト

最後に、施設担当者やご家族が訪問理美容・出張美容の事業者と継続的な契約を結ぶ前に、書面やヒアリングで確認しておくと安心な事項を整理します。管理理容師・管理美容師の設置義務は「常時2人以上の理容所・美容所」に関わる論点ですが、実務ではそれ以外の許認可・衛生体制もあわせて見ておくと、トラブルを未然に防げます。

  • 施術者全員が有効な理容師免許・美容師免許を保有しているか(免許は都道府県知事ではなく厚生労働大臣の免許で、名簿登録が必要です)
  • 出張・訪問で施術する地域の保健所に対し、その地域のルールに沿った届出・相談を済ませているか(自治体により届出要否が異なるため、どう対応しているかを聞く)
  • 出張先でも器具の消毒、客ごとの布片・タオルの交換、清潔な作業衣の着用など、店舗と同等の衛生措置を講じる体制があるか
  • 店舗型の理容所・美容所も運営しており、そこに常時2人以上が在籍する場合、管理理容師・管理美容師を設置しているか
  • 感染症対策や体調不良時の対応、賠償責任保険への加入状況など、施設・在宅で安心して受け入れられる体制があるか

これらは「事業者を疑うためのチェック」ではなく、「安心して長く付き合える事業者かを見極めるための共通言語」です。多くの誠実な事業者は、こうした質問に対して明確に回答できます。逆に、免許や衛生措置についての質問に曖昧な答えしか返ってこない場合は、他の事業者とも比較検討する余地があると考えてよいでしょう。

介護りびようさーちに掲載している事業者の情報も、こうした確認の出発点として活用いただけます。ただし掲載情報は各事業者が提供する内容に基づくものであり、最終的な許認可・衛生体制の確認は、契約前にご自身で事業者へ直接お問い合わせのうえ行ってください。また、医療的ケアや皮膚・爪の状態に関する判断が必要な場合は、理美容の枠を超える領域となるため、医療機関・訪問看護・訪問介護等の専門職に必ずご相談ください。

09まとめ:管理者制度は「店舗の衛生責任者」の仕組みと理解する

管理理容師・管理美容師は、理容師・美容師が2人以上勤務する理容所・美容所に設置が義務づけられる、店舗の衛生管理の責任者です。3年以上の実務経験と都道府県知事等が指定する講習会の修了を要件とし、店舗全体の消毒・衛生管理に責任を持ちます。

一方、理容所・美容所を持たずに出張のみで営業する訪問理美容の事業者には、この設置義務がそのまま当てはまるわけではありません。訪問理美容で確認すべきは、まず施術者本人が理容師免許・美容師免許という国家資格を持っているか、そして出張理容・出張美容の届出を行っているか、という点です。管理理容師・管理美容師の資格の有無は、店舗を構える事業者を選ぶ際の一つの参考情報として捉え、訪問サービスの場合は免許と届出、衛生管理の実態を優先して確認するとよいでしょう。制度の詳しい枠組みは理美容業の届出制度のしくみの記事もあわせて参照してください。

FAQ

このガイドのよくある質問

理容師法第11条の4・美容師法第12条の3が定める設置義務は「常時2人以上の理容師・美容師が従事する理容所・美容所」が対象です。訪問理美容を1名体制で行っている個人事業者は、店舗型の理容所・美容所を持たない限り、この設置義務の対象外となるケースが多いと考えられます。ただし事業所ごとに体制は異なるため、断定はできません。気になる場合は依頼前に事業者へ直接確認することをおすすめします。
公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが、都道府県知事の指定を受けて管理理容師・管理美容師講習会を実施しています。受講資格は免許取得後3年以上の実務経験で、申込時に業務従事証明書の提出が必要です。開催回ごとに受講資格の基準日が設定されているため、詳細はセンターの公式サイトで最新の募集要項を確認してください。
設置義務があるにもかかわらず設置していない場合、都道府県知事はその理容所・美容所に対して期間を定めた閉鎖命令を出すことができます(理容師法第14条、美容師法第15条)。利用者側に直接の罰則はありませんが、衛生管理体制に不安がある事業者である可能性があるため、施設への出張美容室導入など継続的な契約を検討する際は、事前に確認しておくと安心です。
できます。開設者自身が「免許取得後3年以上の実務経験」と「都道府県知事指定の講習修了」という要件を満たしている場合、自らが主として管理する1つの理容所・美容所に限り、自分自身を管理理容師・管理美容師とすることが認められています。複数店舗を運営している場合は、店舗ごとに要件を満たす管理者を置く必要があります。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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