在宅酸素療法中の方が訪問理美容を利用する際は、施術内容の確認に加えて「施術環境の安全確保」も事前確認のポイントになります。厚生労働省は平成22年1月15日付の注意喚起(医政指発0115第1号ほか「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」)で、酸素濃縮装置等の使用中は装置の周囲2メートル以内に火気を置かないこと、酸素吸入中は絶対に喫煙しないことを呼びかけています。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の患者向けQ&Aでも、たばこのほか仏壇の線香・ろうそく、ガスコンロやストーブが実際の火災事例の火元として挙げられています。
訪問理美容との関係で特に確認したいのが、ドライヤーやヘアアイロンの扱いです。厚労省通知やPMDAのQ&Aが直接対象としているのは「火気」(炎)ですが、医療機関の患者向け情報では、ドライヤーなど高温になる機器を酸素吸入中に近づけないよう案内している例があります(慶應義塾大学病院の医療・健康情報サイトKOMPASなど)。使用の可否や確保すべき距離は、使用中の酸素供給機器の取扱説明書と主治医・訪問看護師の指示によって変わります。申し込みの際は「在宅酸素を使用していること」「ドライヤーを使う工程を含めてよいか」を、事業者と医療職の双方に確認してください。
判断に迷う場合の現実的な選択肢としては、ドライヤーを使わないカット中心のメニューに調整する、施術中の酸素の扱い(カニューレの位置調整や一時的な離脱の可否)を事前に訪問看護師へ確認しておく、といった方法があります。また、施術スペースの確保も大切です。酸素濃縮装置や延長チューブの配置を考慮したうえで、椅子や車いすをどこに置くか、コンセントの位置はどうかを事前に事業者へ伝えておくと、当日の設営がスムーズになります。