「高齢の親の足の爪が厚くなって、家族では切れなくなってきた。訪問のフットケアを頼みたいけれど、爪切りは医療行為だと聞いたこともあるし、誰に頼めばいいのか分からない」。こうした迷いには、はっきりした判断の物差しがあります。
厚生労働省の通知では、爪切りや爪やすりでのやすりがけについて、(1) 爪そのものに異常がない、(2) 爪の周囲の皮膚に化膿や炎症がない、(3) 糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない、という条件を満たす場合は医行為(医療行為)にあたらない、という考え方が示されています。つまり、この3条件に収まる範囲の爪のお手入れや角質のケアは、医師や看護師でなくても行える「非医療のフットケア」であり、訪問理美容・フットケアの事業者に依頼できる領域です。
逆に言えば、3条件から外れる状態、たとえば巻き爪が食い込んで炎症を起こしている、爪の色や形が明らかにおかしい、糖尿病で足の管理を受けている、といった場合は、フットケア事業者ではなく医療(主治医・皮膚科・フットケア外来・訪問看護)に相談するのが先です。
この記事では、非医療フットケアでできることの範囲、3条件の具体的な見方、受診が先になるサイン、依頼前の確認手順までを順に解説します。「頼んでよい状態か」を見極める目を持つことが、ご本人の足を守るいちばんの近道です。

