メイクセラピー(化粧療法)とは、メイクアップや整容のケアを通じて高齢者・障害者・療養中の方の心理面とQOL(生活の質)を向上させる、医療行為ではないケア手法です。
「メイクセラピー」と「化粧療法」はほぼ同義語として使われていますが、提唱する団体によって定義の重心が異なります。一般社団法人メイクセラピストジャパン(MTJ)は「心理学とメイクを用いて『なりたい自分になる』メソッド」と位置づけ、心理カウンセリングの手法とメイクアップ技法の組み合わせを重視しています。一方、資生堂は「クレンジングによる肌の清潔保持、唾液腺を刺激するスキンケアからメイクアップまでの一連の行為」と定義し、ADL(日常生活動作)の維持・向上という機能面を重視しています。公益社団法人国際化粧療法協会(ICA)は「病気や障がい、外見の悩みに対して化粧を施すことで、心身の健康や生活の質を向上させることを目的とした療法」とし、ケアウィッグやケアネイルも含むより広いケア技術群として位置づけています。
このように定義に幅があるため、施設や家族が「メイクセラピー」という言葉を目にしたときは、どの団体・どの資格者による、どういう内容の実施なのかを個別に確認することが大切です。

