施設が入所者複数人分の訪問理美容をまとめて依頼すると、出張料が人数で案分されるぶん一人あたりの負担が下がりやすいのが基本的な考え方だ。
訪問理美容・出張理美容は公的介護保険の給付対象ではなく、利用者(入所者)が実費で支払う自費サービスに位置づけられる。厚生労働省の通知(平成12年老企第54号、平成12年老振第75号・老健第122号)では、介護老人福祉施設や短期入所生活介護等において「理美容代」は保険給付とは別に施設が実費徴収してよい費用として扱われている。
この実費徴収には、費用の内訳を明確にすること、利用者・家族の自由な選択に基づくこと、運営規程や重要事項説明書に費用の項目・金額を明記すること、事前に説明し同意を得ること、実費相当額の範囲内であることなど複数の条件が求められる。
「複数人まとめて依頼したときの一人あたり単価が個別依頼より下がること」自体は、この実費徴収の枠組みの中で問題なく成立する。ただし金額を固定額で決め打ちするのではなく、施術メニュー・出張距離・人数によって変動する実費として扱う必要がある点は押さえておきたい。具体的な金額は事業者ごとに大きく異なるため、本記事では円額には触れず、確認すべき仕組みを解説する。

