訪問理美容・出張美容の費用体系は、施設契約か個別(在宅)訪問かで料金の決まり方そのものが変わる自費サービスである。理由は大きく2つあり、1つは契約を結ぶ主体が「事業者×施設」か「事業者×利用者本人・家族」かという違い、もう1つは介護保険の枠内で行われるか、枠外の自費サービスとして行われるかという制度上の違いである。
施設契約では、事業者と施設が業務委託契約を結び、訪問頻度・施術メニュー・利用者ごとの負担額の設定方法を施設側があらかじめ取り決めているケースが多い。一方、個別(在宅)訪問では、利用者本人またはその家族が事業者と直接契約し、訪問のたびに個別に料金を確認・支払う形が基本になる。
さらに厚生労働省の通知では、訪問介護員資格を持つ理容師・美容師が指定訪問介護事業所の訪問介護員として整容(身体整容)を行う場合は介護報酬の対象となり、出張理容・出張美容にかかる費用を別途徴収することはできないと整理されている。これに対し、訪問介護サービスの前後に介護保険外サービスとして理美容を行う場合は、別途料金を徴収できるとされている。つまり「介護保険の枠内の整容」と「介護保険外の自費の理美容サービス」とで、そもそも費用を別途取れるかどうかの線引きが公的に示されているのである。本記事で扱う訪問理美容・出張美容サービスは、原則としてこの「介護保険外の自費サービス」にあたる。

