訪問理美容の対象者には、認知症や要介護状態にある方が多く含まれます。厚生労働省が示す出張理容・出張美容の対象者にも「認知症、寝たきり等の要介護状態にある等の状態で、社会通念上、理容所・美容所に来ることが困難と認められる者」が挙げられており、こうした方への対応は訪問理美容の中心的な場面といえます。
一方で、施術の可否は当日の状態によって変わります。傷病が施術に耐えられない状態であったり、認知症の周辺症状によって施術中に強い拒否や興奮が見られたりする場合には、無理に続けず施術を見送る判断が必要になることがあります。施術前に利用者の健康状態を確認し、必要に応じて中止できる体制を整えておくことは、利用者本人の安全とトラブル防止の両面で重要です。
また訪問理美容では、利用者本人だけでなく、ご家族や施設職員も「仕上がりの希望を伝える相手」になります。ご本人が意思を明確に伝えにくい場合には、ご家族・施設職員と仕上がりのイメージや当日の体調をすり合わせたうえで施術に入ることが、後の行き違いを防ぎます。掲載情報には、対応可能な状態(認知症・寝たきり・医療機器使用時など)に加えて、体調により施術を見送る場合がある旨や、事前確認の進め方を記載しておくと、利用者・ご家族・施設のいずれからも安心して相談されやすくなります。
なお、医療的な処置が必要な状態(褥瘡や創傷のある部位への処置、医療的フットケア等)は本サービスの対象外です。そうした相談を受けた場合は対象外である旨を伝え、医療機関・訪問看護・訪問介護等の専門窓口を案内する体制を整えておく必要があります。この線引きは掲載基準にも含まれます。